遠州産地
遠州産地/オンリーワン職人集まる
遠州産地は、浜松市を中心とする静岡県西部地方の綿織物産地です。江戸時代は、泉州、三河と並ぶ3大綿織物産地の一つでした。長い日照時間、温暖な気候、豊富な水を背景に、農家の副業として生産が始まりました。明治にはトヨタ、スズキといった自動車メーカーの創始者が織機を開発し、産地には大手紡績も進出しましたが、1972年をピークにして輸入圧力を受けてきました。
生産品は綿を中心に細幅から小幅、広幅織物、別珍、コール天まで多種多様です。各メーカーが独自に技術改良を重ねた結果、ここにしかないオンリーワンのモノ作りにこだわる職人が集まるユニークな産地となりました。最近は遠州産地振興協議会を設立して、遠州織物の魅力を伝える冊子を作るなどアピール力を増し、アパレルやデザイナーが産地を訪れる回数も増えています。