湖東産地

湖東産地/琵琶湖が生んだ麻織物

 滋賀県の湖東産地は山々に囲まれ、琵琶湖から発する湿気が多い土地です。この湿潤な自然条件が麻の製織、染色仕上げ、加工に最適で、麻織物産地として発展してきました。麻繊維は湿気を吸うと繊維の強度が増して織りやすくなります。冬季は霧状に水を噴霧して麻の強度を保つ工場もあるくらいです。麻は消防用ホースにも使用されていますが、強度や耐水性とともに、水を含むと漏れないという特性もあります。

 湖東産地は大阪や京都に近く、中山道が通る宿駅として交通の要所でもありました。近江商人が全国に麻織物を流通させました。室町時代からは近江の麻布捺染や、一反仕上げるのに2カ月近くかかるといわれる近江上布などの伝統技術が確立され、伝承されています。現在は洋服地のほか、ストールやタオル、最近はマスクも製品化されています。